物流辞典

目次

あ行

アシストスーツ

「アシストスーツ」は、荷物の上げ下ろしの際にかかる、作業者の身体的負担を軽減する目的で開発された人間の体に装着するウェアラブルロボットです。女性・高齢者でも、安全に荷物の移動ができるようになります。

後工程引取方式

「後工程引取方式」とは、顧客需要に基づいた生産方式です。あらかじめ毎日一定数の製品を製造する場合は、決められた個数の製品を作るため、製造ラインの上流から決められた数の製造作業が行われます。しかし後工程取引では、顧客需要に応じて日々の製造数を調整します。そのため、製造ラインの上流で製造個数を決めてラインを動かすのではなく、最終工程側にその日の製造数が届けられ、製造作業が開始されます。最終工程よりも前の工程では、後工程で製造された個数を補充することになるので、製造数の管理が後ろから前となることから「後工程引取方式」と呼ばれます。

エシェロン在庫

「エシェロン在庫」とは、「特定の物流センターや店頭などの拠点在庫」のことではなく、「特定拠点から下流のサプライチェーン全体の在庫」の総数のことを指します。エシェロンとは「階層」という意味で、各階層となる物流センター、配送センターや小売店舗などの各拠点での在庫総数だけではなく、その間に存在する階層となるトラック・航空機・船舶などで輸送途中にある「流通在庫」も加えるのが、「エシェロン在庫」の考え方です。

汚破損率

「汚破損率」は、「汚破損が起きた件数÷受注数」で算出します。商品が汚損・破損していたり、誤って不良在庫を発送してしまったりした割合を示します。

オムニチャネル戦略

ECのみならず店舗や書面で届けるDMなどのアナログな対応も含めた様々なチャネルでの顧客とのコミュニケーションデータを一元管理し、有効活用するのが「オムニチャネル戦略」です。顧客がいつどこで商品やブランドとの接点を持ち、ECや店舗でどのような商品をいつ購入したのか、その購入のきっかけにDMやメルマガなどが存在するのかといったマーケティング情報を一元管理するためのものです。

温度ロガー

「温度ロガー」とは、移動中の荷物のリアルタイムの荷物の温度を計測し、インターネットを通じて遠隔システムへ通信するIoT機器です。IoT化されていない単独の「温度ロガー」では、荷物到着後にすべてのログをチェックして、輸送中に指定温度を超えていないかを確認しなければなりませんでした。しかし、インターネットを通じて遠隔システムへデータ通信することで、管理者が異常をリアルタイムに検知することができるようになったため、確認作業が容易になりました。

オンプレミス

「オンプレミス」とは、自社内でハードウェアやソフトウェアを設置する場合に、パッケージ型を個社特有の事情に対応するためのカスタマイズや新規開発を加えたり、まったくの新規開発を行うことです。

か行

画像認識技術

「画像認識技術」とは、AIに画像の特徴を学習させて、対象物を識別するパターン認識技術です。ディープラーニングという技術が飛躍的に学習能力を伸ばしました。倉庫内では、仕分けやピッキング、検品や採寸など、様々な業務で活用されており、作業の自動化に大きく貢献している技術です。

かんばん方式

「かんばん方式」は、「後工程引取方式」でいくつ製造されたかを前工程がカウントするために「かんばん」を使用する作業方式です。「かんばん」と呼ばれるボードには、商品コードや商品名や数量が記載されています。各作業工程で作業が終わると、この「かんばん」を前工程に渡していきます。すると、この「かんばん」の集まった数量で、その日使用した部品の数量が把握できるというものです。

還流ロジスティクス

「還流ロジスティクス」とは、一般的には「リバースロジスティクス」と呼ばれる、生産者から消費者へ商品が流れていく通常のロジスティクスの流れとは逆に、消費者から生産者へ向かう物流の流れを指します。「逆転物流」とも呼ばれます。

逆転物流

「逆転物流」とは、一般的には「リバースロジスティクス」と呼ばれる、生産者から消費者へ商品が流れていく通常のロジスティクスの流れとは逆に、消費者から生産者へ向かう物流の流れを指します。「還流ロジスティクス」とも呼ばれます。

求車求荷サービス

「求車求荷サービス」とは、目的地まで荷物を運び終えた帰りの便でトラックの荷台が空いている「車両情報」と、運びたい荷物はあるが、なんらかの理由で車両手配ができず輸送できないでいる荷主の「貨物情報」をマッチングさせ、無駄なくトラックを活用するサービスです。

クラウド型パレット管理システム

「クラウド型パレット管理システム」は、200m程度まで通信可能なタグがついたパレットを使用したクラウドシステムです。 付属のリーダー(受信機)でパレットに付いたタグを読み取ることで、「パレットがどこに、何枚あるか」がすぐに認識できます。入庫作業を行うときや、パレットを出荷するとき、手作業でパレットを1枚1枚検品していく手間が省けます。

グローバルサプライチェーン

「グローバルサプライチェーン」とは、製品の原料や資材の調達から消費活動に至るまでに関わるサプライチェーンが、国内だけではなく複数の海外拠点も含めて存在するサプライチェーンのことです。

グローバルサプライチェーンマネジメント (GSCM)

「グローバルサプライチェーンマネジメント」とは、製品の原料や資材の調達から消費活動までに至るサプライチェーンが、国内だけではなく複数の海外拠点も含めて存在する「グローバルサプライチェーン」をマネジメントする仕組みです。省略してグローバルSCMと表現される場合もあります。

形跡管理

「形跡管理」とは、工具の形状にくり抜いたスポンジなどを設置し、直感的に配置する工具が分かるようにしておく備品の管理方法です。「姿置き」ともいいます。

コグニティブ技術

「コグニティブ技術」とは、ITシステムが単なる機械ではなく、人間のように自ら理解・推論・学習するシステムになるという発想の技術のことです。

誤出荷

「誤出荷」とは、商品を出荷するまでのプロセスの中で、商品自体や商品の色やサイズや数量、発送先などが誤った状態で出荷されてしまうことです。顧客に迷惑をかけ信用を失うだけでなく、社内のクレーム対応工数が増加するといった影響範囲は少なくありません。

誤出荷率(PPM)

「誤出荷率」は、誤出荷の発生率を可視化するために算出される指標です。「PPM=Parts Per Million(100万分のいくらか」という単位の略称で表されます。具体的な算出方法は以下の通りです。誤出荷率(PPM)=誤出荷発生件数÷作業件数×1,000,000

庫内作業の人時生産性

「庫内作業の人時生産性」は、「処理ケース数÷作業時間」で算出します。ピッキングや梱包などの、倉庫内作業における生産性を示します。従業別やライン別に算出して判断します。

コネクテッド5G

「コネクテッド5G」とは、超高速・低遅延・多接続(多数同時接続)という3つの特徴を持つモバイル通信規格の5G通信を使って、様々な機器がインターネットにつながっている状態のことです。コネクテッドはIoT(もののインターネット)の分野では、「インターネットに接続された」という意味で使用されます。

コネクテッドロジスティクス

「コネクテッドロジスティクス」とは、IoT(もののインターネット)により機器とシステムがインターネットで連携されたロジスティクスのことです。かつてのロボットの活用では、部分的な作業だけは自動化されていました。しかし近年のIoTの技術革新で機器とシステムがつながることで、一連の作業が自動で流れるようになり、作業工程をシステムで一元管理できるようになりました。

コンテナターミナル

「コンテナターミナル」は、港湾におけるコンテナ貨物を載せた貨物船やトレーラーやトラックが集まる場所であり、貨物を積んだり降ろしたりする場所です。現在AIを活用した自動化が進められています。

さ行

在庫差異

「在庫差異」とは、帳簿・システム上の在庫数と、実地棚卸で確認できる在庫数に差が生じることです。商品を10個発送すべきところを20個発送してしまう誤出荷が発生すると、10個分の在庫差異が生じ、売上が損失されます。

再配達問題

「再配達問題」は、宅配された荷物が届け先の不在により再配達となり、宅配ドライバーの宅配効率・労働生産性が下がる問題のことです。再配達を行うことで、トラックなどの二酸化炭素の排出量が上がってしまう影響もあります。

サプライチェーン

「サプライチェーン」とは、製品の原料や資材の調達から消費活動までに至る一連のモノの流れのことです。 新型コロナウイルスの発生により、世界各国で工場の稼働停止や物通網の寸断が発生し、モノの流れが止められたことから「サプライチェーンの寸断」とい言葉がよく使われました。

サプライチェーンマネジメント(SCM)

「サプライ・チェーン・マネジメント(SCM)」とは、原材料の調達から最終目的地での製品の配送までのサプライチェーンに対し、製品やサービスに関連する商品、データ、財務の流れを管理することです。

実車率

「実車率」は、「実車距離÷走行距離」で算出します。走行車両が、荷物を乗せて走っている距離の割合です。貨物を乗せていないムダな走行を軽減するための指標です。実車率が低いルートは、他のルートとの統合を検討します。

実働率

「実働率」は、「実働日数÷営業日数」で算出します。営業日数の中で、車両がどれくらい稼働しているかを表す指標です。適切な車両数を検討するための指標として用いられます。

自動運転ロボット宅配

「自動運転ロボット宅配」は、自動運転車の機能を持たせたロボットで顧客へ商品を配達することす。自動運転ロボット自体は、既に倉庫内や飲食店の配膳などで実用化されています。ただ自動運転ロボットが公道を走行するためには様々な規制をクリアしなければならず、現在実証実験が進められています。

自動倉庫システム

「自動倉庫システム」とは、倉庫内のピッキングから検品、そして梱包から伝票シールの貼り付けまで全工程をIoTのコネクテッドな環境で全自動で行うシステムです。巨大な自動で動く棚にピッキングロボットが付帯しています。入出庫や在庫をWMS(倉庫管理システム)で管理しながら、荷物を所定の場所から自動で取り出したり、所定の場所へ自動で格納したりします。

ジャストインタイム物流

「ジャストインタイム物流」は、「必要な時に必要なものを必要な量だけ発送する」というスタイルの物流システムを表します。日本を代表する自動車メーカーでも導入されており、業務の効率化や無駄な費用の削減にもつながります。

出荷ロット

「出荷ロット」は、出荷物の数量や重量です。物流拠点の稼働状況を示す基本数量で、輸送効率や売上にもつながる数値です。

受注管理システム(OMS)

「受注管理システム(OMS)」は、複数店舗のECの受注情報を一元管理できるシステムです。商品情報や顧客情報、ECサイトからの注文情報を管理し、注文確認・入金確認連絡などの顧客対応が可能です。

需要予測システム

「需要予測システム」とは過去の販売実績データから市場の動向と需要を予測するシステムです。時期や天気、市場状況、競合他社の状態といった外部データを加味した上で予測するケースもあります。商品情報、営業情報、出荷(販売)情報といった必要な条件を入力することで対象商品の需要や販売数を予測します。

仕分けシステム

「仕分けシステム」とは、倉庫で集められた荷物を決められたルールに沿って分類していく仕分け作業を、ミスなく効率的に進めるためのシステムです。

姿置き

「姿置き」とは、工具の形状にくり抜いたスポンジなどを設置し、直感的に配置する工具が分かるようにしておく方法です。「形跡管理」ともいいます。

スマートシティ

「スマートシティ」とは、デジタル技術を都市インフラに活用して、企業や生活者に対する利便性・快適性の向上を目指す都市のことです。かつての都市開発が建物を中心としたハードウェア発想の計画だったのに対し、スマートシティは企業や生活者の利便性・快適性にデジタル技術で柔軟に対応するソフトウェア発想の都市設計となります。

積載率

「積載率」は、「積載数量÷積載可能数量」で算出します。どの程度無駄なく荷物を積めているかを示した指標です。顧客別、ルートごとなど様々な観点から算出して、無駄なルートを見つけ出して統合させるなどの対応で使用します。

倉庫管理システム(WMS)

「倉庫管理システムWMS(Warehouse Management System)」は、倉庫内の各種作業をサポートするシステムです。ロケーション管理や入出庫に伴う在庫の変動や納品書の作成などの業務を支えます。

ソーター

「ソーター」とは、物流現場において、ベルトコンベアなどで流れてきた物品を、品種別、発送方面別など所定の場所に仕分けする機械のことです。短時間に大量の仕分けを正確に行うことができるメリットがあります。

た行

ダイナミックプライシング

「ダイナミックプライシング」は、需要に応じて商品やサービスの価格を変動させる仕組みです。昔から活用しているのが、観光業での繁忙期価格です。しかし近年、観光業のように日程だけで繁忙期を判断するのではなく、閉店時間までの残り時間や、商品の売れ行き状況、当日の天候や気温など様々なデータをもとに需給バランスをAIで判断して販売価格を決めるスタイルのダイナミックプライシングが登場しています。

ダイレクトデリバリー

「ダイレクトデリバリー」とは、エリアごとの倉庫をなくして、生産拠点から一気に納入先へ納品するスタイルの物流手法です。

タクトタイム

「タクトタイム」とは、このモノを1個生産するために必要な作業スピードのことです。タクトとは「拍子」や「リズム」のことで、このリズムが崩れると生産ラインが止まるなどの影響が出てきます。

タクト調整

「タクト」とは「拍子」や「リズム」のことです。必要なモノを必要な数だけ、時間内に生産するには、一定の生産スピードが必要です。このモノを1個生産するために必要な作業スピードを「タクトタイム」といいます。「タクト調整」とは、この「後工程や市場からの受注を考慮して最適なタクトタイムを決定し、生産工程から無駄を省くこと」です。

宅配効率化システム

「宅配効率化システム」とは、再配達の削減するためのシステムです。配達予定の荷物を、どの順序で配達するのが最も効率的なのか、その順序で配達するには、どの順序でトラックに荷積みすると取り出しやすいのかをAIシステムが指示するようなシステムが実用化されていたり、リアルタイムの家庭の電力使用量を電力会社のデータと照合し配達先が在宅か不在化をAIで判断するような実証実験も進んでいます。

棚卸差異

「棚卸差異」とは、棚卸で帳簿上と実際の在庫数が合わない場合の数量の差のことです。実際の配送作業にミスが発生していないかを確認するために、帳簿上の数値と実際の在庫数を確認します。

棚卸差異率

「棚卸差異率」とは、「棚卸差異(実際の在庫数-帳簿上の在庫数)÷帳簿上の在庫数」で算出します。データ上の在庫数と実際の在庫の数量の乖離がどの程度なのかを把握します。乖離が大きい場合には、作業ミスや誤出荷の発生が懸念されます。

遅延・時間指定違反率

「遅延・時間指定違反率」は、「遅延・時間指定違反が起こった件数÷受注数」で算出します。納期に間に合わなかったり、時間指定に違反したりした割合を示します。

ディストリ ビュー ションセンター

「ディストリビューションセンター(DC:Distribution Center)」とは、在庫を保管し、オーダーに応じて出荷するタイプの物流センターのことで「在庫型センター」とも呼ばれます。商品の保管機能に加えて、ピッキングや検品、梱包といった物流加工の機能が備わっており、指定納期に合わせた一連の出荷作業をディストリビューションセンター内で完結させられることが特徴です。

デバンニング

「デバンニング(Devanning)」とは、貨物をコンテナから取り出す作業のことをいいます。コンテナへの積み込み作業を表す「バンニング(Vanning)」の対義語で、物流業界ではよく使われる言葉です。

テレコ出荷

「テレコ出荷」とは誤出荷の原因のひとつで、本来A社に出荷すべき荷物をB社へ、B社へ出荷すべき荷物をA社へ出荷先を間違えてしまうことを表す言葉です。テレコには「あべこべ」や「食い違い」という意味があり、元々は歌舞伎の二つの異なる話を一つの脚本にまとめ、交互に進行させることが由来となっています。

テレマティクス

「テレマティクス(Telematics)」とは、通信機能を備えた車載機を通じて、遠隔からでも情報の送受信をリアルタイムで行える車両向けの情報提供サービスです。SIMなどの通信機器を用いてインターネットに接続し、GPSやカーナビの情報をクラウドシステムやサーバーと連携しながらサービスを提供します。

テレマティクス保険

「テレマティクス保険」は、走行距離に応じて掛け金を支払うという考えに基づき設計された自動車保険です。「走行距離連動型保険」や、急ブレーキ・急アクセル、ハンドリングなどの運転特性を測定し、安全な運転をしていると判定されれば保険料が下がるといった「運転行動連動型保険」があります。

トランスファーセンター

「トランスファーセンター(TC:Transfer Center)」は、「トランスファー(移動させる)」という名の通り、荷物の仕分けや積み替えに特化した物流センターです。納入された荷物を保管せず、直ちに検品し方面別・店舗別に仕分けられ、次の配送先へ出荷されます。

ドローン宅配

「ドローン宅配」は、ドローンによる宅配業務のことで、アメリカでは既にピザの配達がドローンで行われています。日本国内では、2021年時点ではレベル3と呼ばれる「管理者の目視外かつ、人がいない地域上での自動飛行」までが解禁されており、2022年にレベル4と言われる「管理者の目視外でも住宅地など人が密集する地域の上空での自動飛行」が解禁される予定です。

な行

人時生産性

庫内作業の「人時生産性」は、「処理ケース数÷作業時間」で算出します。ピッキングや梱包などの、倉庫内作業における生産性を示します。従業別やライン別に算出して判断します。

は行

バース予約システム

「バース予約システム」は、ドライバーが出発前に到着予定時間を登録すると、入庫可能なバース(荷下ろし場所)を指定するためシステムです。バースに到着したら到着確認の通知を、荷下ろしが終了したら作業完了の登録を行います。こうすることで、スムーズなバース利用とともに、利用する運送会社の利用状況が確認できるようになっています。

配送管理システム(TMS)

「配送管理システム(TMS)」は、Transport Manegement Systemの略称で、出荷される商品の運搬や、配送料金の計算、到着予定日時の見立てをサポートするシステムです。

パレット

「パレット」とは、物流業務において、荷物を単位数量にまとめて載せる台のことです。 フォークリフトで荷物を移動する際に、フォークリフトのフォーク部分をパレットに刺さることで、安全に荷物を移動できるようになります。

バンニング

「バンニング」とは、輸出貨物をコンテナに詰め込む作業のことです。逆に、輸入貨物をコンテナから取り出す作業を「デバンニング」といいます。

販売物流

「販売物流」は物流全体の中で、倉庫から卸売業者、小売業者、消費者へ届ける部分を指します。 その他に、原材料や部品の調達する「調達物流」、工場における流通や資材の管理で発生するのが「生産物流」、販売先からの返品といった通常と逆のルートでモノが流れる「リバースロジスティクス」があります。

ピッキング

「ピッキング」とは、伝票や指示書(いわゆるピッキングリスト)に基づいて、商品を取り出す作業のことをいいます。かつては人間が紙の資料を見ながら手作業していましたが、近年はAIの技術革新によりピッキング専用のロボットが自動で作業するようになりました。

品先待機時間

「品先待機時間」とは、納品先別の平均待機時間です。「品先待機時間」は無駄な待機時間なので、生産性向上のために入庫時間を予約制にするなどの対策が進められています。

物流KPI

「KPI(Key Performance Indicator)」とは、組織の最終目標に寄与するプロセスの数値目標です。定点観測的にKPIの数値を確認することで、ゴールに向かって正しく進めているかを確認することができます。各種物流業務における目標値が、「物流KPI」として計算式と共に示されています。

フリーロケーション

「フリーロケーション」とは、入庫した商品を空いている棚に保管する管理手法のことです。商品ごとに格納場所が決められている「固定ロケーション」では、その棚がいっぱいになった場合に、格納先が無くなってしまいます。しかし、フリーロケーションでは最初から場所を決めずに、臨機応変に空いているスペースを活用できるメリットがあります。

ブルウィップ効果

「ブルウィップ効果」とは、消費者から遠いサプライチェーンの川上では、川下よりも需要動向の変化が増幅されて伝わるという現象です。

フルフィルメント

「フルフィルメント」とは、注文データをもとに倉庫から注文商品の配送する機能のことです。

プロセスセンター

「プロセスセンター(PC:Process Center)」は、最終納品先の希望に合わせて、鮮魚や精肉といった生鮮食品を中心に加工や梱包(こんぽう)を行う物流センターのことです。主にコンビニエンスストアやスーパーマーケット、飲食チェーン店で利用されています。

ブロックチェーン

「ブロックチェーン」とは、仮想通貨で使われている技術です。仮想通貨が発行されてから、人々により繰り返し取引される全取引の履歴を、暗号技術によって一本の鎖のようにつなぎ、正確な取引履歴を維持する技術です。このブロックチェーンを物流に活用しようという動きが出てきています。

貿易管理システム

「貿易管理システム」は、輸出入に関する各種管理業務を支援するシステムです。受注に関するデータ管理や各種決済管理など、貿易に関する様々な業務を自動化・効率化します。また、輸出入管理のデータを、販売管理や財務会計といった基幹システムと連携するケースもあり、多くの企業で導入が進んでいます。

保管効率

「保管効率」は、「保管間口数÷総間口数」で算出します。倉庫・物流センターなどの保管スペースが、有効活用できているかを示す指標です。

ホワイト物流推進運動

「ホワイト物流推進運動」は、トラック運転者不足が深刻になっていることに対応し、労働環境を改善させることで、トラック輸送の生産性向上や業務の効率化を実現し、女性や60代の運転者なども働きやすい、より「ホワイト」な労働環境を実現しようという取り組みです。国土交通省・経済産業省・農林水産省も、この取り組みへの参加を呼び掛けています。

ま行

マテハン

「マテハン」とはマテリアルハンドリングの略称で、倉庫などの物流拠点内のモノの移動に関する業務のことです。 日本の工業製品に関する種類・寸法や品質・性能、安全性などの規格を定めている「JIS規格」によると、マテハンを「製造に用いる材料、部品、半製品などの物品の移動、搬送、取付け、取出し、仕分けなどの作業及びこれに伴う作業」と定義しています。具体的には倉庫内で材料や商品をベルトコンベアに乗せて移動したり、商品を乗せたパレットをフォークリフトで運んだりすることを指します。

ミルクラン

「ミルクラン」とは、発注者側が複数のサプライヤーを巡回し、部品や原材料を取りに行く集荷方法のことです。牛乳メーカーが原料となる生乳を調達するために、各牧場を巡回して集荷することが名称の由来となっています。

無人フォークリフト

「無人フォークリフト」とは、名前の通り「無人」で自動運転するフォークリフトです。AGF(Automated Guided Forklift)という略語で呼ばれる場合もあります。

ら行

ラストワンマイル

「ラストワンマイル」とは、物流の最終拠点からお客様宅まで商品を届ける物流の最後の区間を示します。ECの成長と共に業務が煩雑化している宅配業界では、このラストワンマイルを自動運転ロボットやドローンで無人化する実証実験が進んでいます。

リーチフォークリフト

「リーチフォークリフト」は、立って操縦をするフォークリフトです。 小回りが利くので、倉庫内など屋内や狭い場所で荷物を運んだりするのに役立ちます。

リードタイム

「リードタイム」とは、モノの生産開始から完成品ができるまでの時間です。

リバース ロジスティクス

「リバースロジスティクス」とは、生産者から消費者へ商品が流れていく通常のロジスティクスの流れとは逆に、消費者から生産者へ向かう物流の流れを指します。返品やサイズ交換など、EC市場の拡大によりリバースロジスティクスのケースが増えています。「逆転物流」や「還流ロジスティクス」と呼ばれることもあります。

流通加工

「流通加工」とは、商品が生産されてから購入者のもとへ届くまでの流通の過程で、商品の価値を高めるために施す加工全般を指します。流通加工が施されることで、商品に付加価値をプラスして顧客満足度を高めたり、物流作業をやりやすくするための物流作業における効率化が期待できます。

流通在庫

「流通在庫」とは、物流・配送センターや店舗などの拠点に存在する在庫数だけでなく、トラック・航空機・船舶などで輸送途中にある在庫のことです。

ロジスティクス4.0

「ロジスティクス4.0」は物流の世代を表現した言葉で、現在の自動化が進むロジスティクス世代を指します。 ロボットにより作業が自動化され、システムにより様々な作業ログや荷物の移動状況が数値化された時代が「ロジスティクス4.0」です。

英数字

AGV

「AGV(Automated Guided Vehicle)」は、「無人搬送車」を意味します。物流現場で商品や資材を積んで、自動運転で所定の場所に運ぶ移動ロボットのことです。

AIターミナル

「AIターミナル」とは、AIを活用してコンテナターミナルのオペレーションを最適化しようとする最新の港湾ターミナルです。2017年12月に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」に盛り込まれた、「世界最高水準の生産性と良好な労働環境を備えるAIターミナル」でその方向性が示されています。

JIT

「JIT」は、ジャストインタイムの略称です。物流におけるジャストインタイムは、「必要な時に必要なものを必要な量だけ発送する」というスタイルの物流システムを表します。日本を代表する自動車メーカーでも導入されており、業務の効率化や無駄な費用の削減にもつながります。

MaaS

「MaaS(マース)」は、「Mobility as a service」の略称であり、ICT(情報通信技術)を活用し、バス、鉄道、カーシェア、といったマイカー以外の移動手段をシームレスにつなぐという概念です。従来の交通手段・サービスに、自動運転やAIなどのさまざまなテクノロジーを掛け合わせた、次世代の交通サービスです。飛行機と鉄道とバスなど、異なる移動手段サービスをひとつのパッケージ商品のように予約でき、専用のアプリで決済から乗車まで対応するようなサービスです。

MLOps

「MLOps」とは、機械学習(Machine Learning)と、運用(Operations)を合わせてできた造語です。AIにデータを学習させる「機械学習チーム(Machine Learning)」と、実際のサービスにおける顧客の声に接している「運用チーム(Operations)」がお互いに協力しながら、AIの機械学習の管理体制を築くことを指します。

NACCS

「NACCS(ナックス)」とは、Nippon Automated Cargo And Port Consolidated Systemの略称で、日本語では「輸出入・港湾関連情報処理システム」と呼ばれます。通関(輸出入申告)や輸入の際の関税の納付などに対応するシステムです。現在、輸出入申告件数の99%がNACCSで処理されています。

RaaS

「RaaS(Robot as a Service)」とは、ロボットとロボットを制御するシステム一式を月額利用料のみで導入できるサービスです。購入ではないので初期導入費がなく、必要な期間、必要な台数だけ月額利用料のみで導入できます。そのため、中小企業でもロボティクスを活用できるチャンスが広がり注目されています。

VOC分析

「VOC」とは「Voice of Customer」の略称で、「顧客の声」となります。その顧客の声を分析するということで、「VOC分析」と呼ばれます。

VPP

「VPP」は、「Virtual Power Plant」の略称で、仮想発電所のことです。地域に分散しているエネルギーリソースを相互につないで、ひとつの発電所のように機能させる仕組みのことを指します。

2024年問題

「物流の2024年問題」とは、2024年4月1日から働き方改革関連法における「自動車運転業務」の特例期間が終了することに起因する問題です。特例期間が終了することにより、「自動車運転業務」の年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されます。この制限によって発生する諸問題を「物流の2024年問題」と呼びます。

3PL

「3PL(サードパーティ・ロジスティクス)」は、自社の物流業務のすべてまたは一部を物流企業に委託する形態を表します。サードパーティーは「第三者」を表しています。サードパーティーに対して、ファーストパーティーは自社(当事者)、セカンドパーティーは自社製品や商品の取扱者(相手方)を表す表現です。

4PL

「4PL(フォースパーティ・ロジスティクス)」は、3PLの概念にコンサルティングの機能が加わったものです。3PLの優れたノウハウを持つサードパーティーの物流企業をしっかりとマネージメントし、ファーストパーティー企業に最適化したロジスティクスを実現するためのコンサルティングを実施するのが4PLの基本的な考えです。

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